こんにちは!
川越市の不動産会社、(株)アイエー本社のコラム担当のカンです!
最近の不動産ニュースで僕が気になった話題は、「所有者不明土地対策の推進に向けた先進事例構築モデル調査」に関しての取り決めです。近い将来、人口減少とともに増えるであろう空地・空き家問題を対策すべく、今回の決定で6件の地方自治体をサンプルモデルとする支援制度が採択されました。地方公共団体やNPOら協力のもと所有者不明の土地を児童や高齢者等が利用する公園などの地域福利増進事業等の実施へ繋げていく取り組みがなされるそうです。空地・空き家などの土地有効活用が進み、購入に値する不動産が増えるといいですね。
さて、土地の購入といえば裁判所主導の「競売」が連想されます。競売では相場より安く家が買えるという印象がある一方で、競売にかけられる不動産はどこか事故物件ばかりであるかのようなイメージを抱かれがちなのも事実です。(「競売物件」と検索すると、サジェストには「やばい」「事件」と表示されるほど…)
今回はそんな競売の不動産について、メリットやリスク・個人参加の手続きと流れ・入札の傾向など捉えながら説明していきたいと思います。
✔ 競売は個人参加OK!
✔ メリットは安くて幅広い物件が見られること!
✔ デメリットは物件の選び方や引き渡しに関しての難しさ!
✔ 流れや必要書類・競売のデータなどまとめて解説!
競売物件とは?
競売(けいばい)物件とは、裁判所が抵当権のかけられた不動産を強制執行(没収)し、公に買い手を募集したものです。言い換えるなら、司法によって行われる不動産のオークションですね。住宅ローン等の債務不履行によって没収された土地や建物が競売にかけられ、入札で最も高い値段を提示した参加者が競売物件を入手できます。
後述しますが競売に出回った物件には、通常の不動産屋でみられる物件とは異なったメリットがあるため、様々な目的で参加している方がいらっしゃいます。
個人参加はできる?
結論から申しますと、個人でも競売に参加することが可能です。むしろ入札の条件はかなり緩く、以下の要件に抵触していない限りは資格があります。
✔ 債務者本人(民事執行法第68条)
✔ 暴力団員等、または売却の場所の秩序維持を乱す者
✔ 競売で同じ物件を一度キャンセルした者
✔ (農地の場合)買受適格証明書を持たないもの
外国籍保有者への制限も解除されましたし、対象の物件に利害関係のある方でも基本的に参加は自由です。個人参加の方も数多くいらっしゃるため、初めての方でもまずは気軽に物件を探してみてください。競売は各地方の管轄裁判所によって定期的に開催されており、入札開始の20日ほど前から公告の閲覧が始まるので、こまめに情報をチェックしましょう。
point: 競売と公売の違いは?
競売 | 公売 | |
---|---|---|
入札保証金 | 売却基準額の20%以上 | 売却基準額の10%以上 |
資料 | 3点セット※ | 公売公告 |
引き渡し | 当事者間の話し合い/ 民事訴訟からの強制執行 | 落札者が自力で話し合いや 訴訟を行う |
落札価格の相場 | 市場価格の7割程度 | 7割程度~市場価格と同程度 |
※3点セットとは、競売物件の概要や状況についてが詳しく記されている「現況調査報告書」「評価書」「物件明細書」の書類らの総称です。これらによって、売却基準価額や立地・所有者の有無など様々な情報を読み取ることができます。
競売のメリット・デメリットは?
それでは実際に、競売にはどのような長所や短所があるのかを説明していきます。
メリット
値段が安い!
競売で入手できる物件は、一般的な市場の物件と比較して大体7-8割程度の価格で落札できるといわれています。とりあえず物件を安く手に入れたいとお考えの方におすすめの物件購入手段です。
所有権移転の手続きが楽!
登記申請の手続きまでは裁判所が行ってくれるため、煩わしい申請や外部業者への依頼は少なくて済みます。ただし後述しますが、物件の引き渡しに関して司法はノータッチですので、自分で執り行う必要があります。
多様性のある物件が出回る!
顧客相手への売却を目的とした一般の物件と異なり、競売では通常市場に出回らないバラエティに富んだ物件が見られるのが競売の長所です。例えばマンションやアパートがまるごと売られたり、僻地や離島の土地や不自然な形の不動産が出回ったりすることがあります。
デメリット
実際に物件の中を見ることができない
通常物件を購入する際には、建物の内見を調査し、活用や処分を検討するかと思います。しかし競売で入手できる不動産はまだ人が残っていたり、鍵が開かなかったりして物件の中身を見せてもらえないことがほとんどです。それゆえに、後になるまで物件の悪臭などに気付くことができずトラブルになることがしばしばあるようです。できる限り3点セットの情報を詳しく読み取って、具体的な見積もりを出しておくことが大切になります。
また売り手がいないことで、瑕疵担保責任に関しても落札者が背負うことになるため、競売物件の購入はリスキーであると捉える方も数多くいらっしゃいます。(引用:競売マンションが自殺物件であったことについて、執行官・評価人の調査義務違反を否定した事例)
瑕疵担保責任についての詳しい説明はこちら!
関連コラム:不動産にまつわる面白い判例をわかりやすく解説!
残置物や占有者に注意!
競売物件へ入札する際に最も気を付けてほしい点が、残置物(退去時に残された私物)や占有者の問題です。競売で落札した物件の中に残されたゴミや寝具などは、落札者自身の負担で処理をすることがほとんどです(所有権放棄書をもらい忘れないこと!)。競売の物件が安く買えるのは、このような残置物やリフォーム等の負担を購入者が被ることになってしまう現状が一因となっています。
引き渡しの難しさ
引き渡しに関しては占有者が債務者と異なる場合、建物の債務者が引き渡しまで6か月の建物明け渡し猶予期間があります。すぐに物件を手に入れたいとお考えの方は、占有者が立ち退かないケースに注意しましょう。
また敷金の返還義務は原則として買い手に移ることになっているので、お金が足りないなどのことがないように気を付けてください。
競売が難しい
入手可能性の見通しが立たない点や、短時間での調査をしなければならない点は競売ならではの難しさです。過去のデータを参考にしたり、公告の見学をしに行ったりして、競売の流れや雰囲気をつかむことから始めるのも悪くないかもしれません。過去の競売データは、「一般社団法人不動産競売流通協会」のページから見ることができます(参考:981.jp)。
競売の流れ
次に、競売におけるスケジュールや流れを説明します。( ※日数に関しては目安の物もあります。)
① 物件調査
競売にかけられる不動産はすべて、BIT(不動産競売物件情報サイト)を通して公開されており、いずれの公告もインターネット上で概要を確認することができます。前述した3点セットも、このBITによって公開されているため、まずはWEB上で目星の物件を見つけていきましょう。もちろん実際に該当の裁判所に赴いて、資料を閲覧することもできます。その場合は、「閲覧室」で競売物件の資料に目を通しましょう。
② 入札の手続き
競売に参加することが決まったら、該当の裁判所に訪れて「執行官室」で申し込みの書類を受け取ります。入札保証金を指定の金融機関へ振込み、交付された「保管金受入手続添付書」を「入札保証金振込証明書」に張り付けて提出します。
入札書は裁判所に直接提出する方法と郵送する方法があります。複数の物件に入札する場合には、その数だけ入札書を用意する必要があるため、もらっておく数に注意しましょう。入札の期間は一週間です。
③ 開札
最も高い金額を提示した参加者が発表されます。万が一、落札者の書類や参加条件に不備があった場合などには、二番目に高い金額を付けた者が物件を入手できます。午前中に裁判所で直接落札者を確認することもできますが、午後にBITでも落札情報が公開されます。
④ 売却許可決定
代金納付の期限が通知されるので、期限までに代金を納付する必要があります。通常は1か月の期限です。代金の支払いに関しては、二通りの支払い方法があります。
A 金融機関から指定の口座へ振り込む
B 裁判所へ直接、現金で支払う
⑤ 所有権移転の登記手続き
買い手がやることはなく、裁判所が手続きを進めてくれます。自動的に法務局へ委託され、二週間程度で登記が完了します。
⑥ 引き渡し
占有者が要る場合には、交渉が必要になる場合があります。交渉がまとまらなかった場合には、訴訟を起こしたうえで強制執行の断行に踏み切ることになります。
準備物は?
〇振込依頼書
〇入札書
〇入札保証金振込証明書
〇陳述書
個人用と法人用に分かれているので、該当する方をもらってきてください。陳述書とは暴力団員等に該当しない旨を示すものです。
〇保証金
通常は不動産の売却基準価額の20%ですが、それ以上のこともあるため公告書を要チェックしましょう。
〇住民票(個人の場合)
〇代表者事項証明書(法人の場合)
最近の競売の傾向は?
近年の競売市場(?)は、縮小の傾向にあるようです。2012年には5万件を超えていた物件公告数は年々減少し、2020年には21,722件にまで落ち込みました。ちなみに2020年の関東内の公告数は6,207件であり、すべての物件に関しての平均落札価格は1770万円となっていました。
比較的に戸建ての物件が競りにかかることが多く、全体の65%は戸建ての公告です。入札の需要としてはマンション>戸建て>土地>農地の順に高く、マンションは平均8軒・戸建ては平均7件・土地のみは平均3件・農地は平均2件の入札がされているとのことです。
ありがちなQ&A
Q.入札保証金は返還される?
A.競売で物件を落札できなかった場合には、10日前後で保証金が全額返金されます。落札ができた場合には、保証金が支払い金額に充てられます。
Q.入札価格を間違えたらどうする?
A.例えば入札価格の桁を一つ間違えてしまった上で落札できてしまった時などには、入札保証金の返還を諦めて落札のキャンセルを行うこともできます。
Q.競売の支払いのために住宅ローンを組めるか?
組めます。
1998年の法改正で可能になりました。しかし入札保証金は必ず現金で納付する必要があるため注意が必要です。
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今回は「競売物件 参加」に関してのコラムを執筆しましたが、ご理解いただけましたでしょうか?個人での競売参加のハードルは皆様が考えるより低く、日々数多くの物件が競売に出回っています。個人参加や初参加だからと言って制限があるわけではなく、気軽に情報を集められるは競売の良いところであると思います。
一方で、競売で入手できる物件には様々なデメリットもあります。決して安くない買い物であるため、3点セットでの下調べをしっかりと行い、不動産の引き渡しや今後の活用において禍根を残さないような入札をしていきたいですね!
さて、不動産の不安といえば所有地の売却に関する問題がありますね。土地売却に関して疑問をお持ちのお客様は土地買取を得意とする不動産屋に相談してはいかがでしょうか?我々アイエーは、埼玉県川越市を中心に土地高価買取を行っております!
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