更新日：2021/10/7：タイトルを変更しました
こんにちは、川越市アイエー本社の鮎太郎です。
ここ最近のビックニュースといえばスエズ運河での大型船舶座礁なのではないでしょうか？座礁してしまった船エバーギブン（Ever Given）の所有者は日本の会社であるという事もあり日本でも大きな話題となっておりますが、3/29には船の一部の移動に成功し、本日3/30には離礁が確認されスエズ運河の航行が出来るようになったようです。
1日に1兆円もの経済損失を生み出してしまうような事故が発生しているという事実にも驚かされましたが、巨大な船舶を3日半という短期間で復旧させたという事にも私は驚いております。
まだまだ航路上の渋滞は続いている模様ですが、スムーズな運航が再開されるのを願うばかりです。
それはさておき、本日は不動産業界における代表的なトラブルである「事故物件」について解説していこうと思います。
それでは早速参りましょう！
「事故物件」の定義とは？
皆さんも”事故物件“というワードを耳にしたことが1度はあるのではないでしょうか？何か幽霊や座敷童のようなものが住んでいたり、その物件で人命にかかわるトラブルが過去に発生していたりなど、”事故物件“と言われてしまうような要因は色々あります。
しかしながら、実は法律にて明確に事故物件についての定義がされているわけではなく、「心理的な瑕疵」の有無によって事故物件になるのかどうかが変わってきます。
おすすめコラム：判例解説！新築建物の浸水と説明義務の関係
心理的瑕疵ってなに？
心理的な瑕疵(傷のこと)とは、不動産や動産そのものには何ら問題は無いものの、運営していくうえで何かしら心理的な抵抗を覚えるような事柄があるような物の事を指します。よく不動産業界で使われる「心理的瑕疵物件」とは、このように心理的に抵抗を催すような何か事情のある物件の事であり、よくある例としては「殺人事件があった物件」や「近くに嫌悪施設がある物件」などが挙げられます。
心理的瑕疵に該当し得る例
・過去に事件が発生した物件 (火災など含む)
・火葬場やゴミ処理場、刑務所などの嫌悪施設が周辺にある
・指定暴力団の事務所が付近にある
など
(画像はただの改装風景です)
事故物件には必ず告知義務があるとは限らない！
前述したような「事故物件」においては、賃貸や売買などを行う際にその旨を告知しなければならないこととなっており、“告知義務”として重要事項説明書にて明記することとなっています。仮に心理的な瑕疵のある物件の告知義務を守らなかった場合には、民法第415条に規定されている損害賠償責任を請求されたり、契約不適合責任によって契約解除に至る場合もあります。
また、賃貸・売買された物件について当事者も知らなかった瑕疵や、あえて黙っていた瑕疵などは”隠れた瑕疵”として「瑕疵担保責任」を負う可能性があります。
民法415条
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
心理的瑕疵に告知義務が生じる場合とは?
心理的な瑕疵がある物件には告知義務が生じるというところまでは分かりましたが、それではどのような状況が「告知義務が生じる心理的瑕疵」に該当するのでしょうか。
例えば土地を造成していた際に白骨が出てきてしまったという場合には事故物件などという事が出来そうですが、指の骨が1本だけ出てきた場合や、縄文時代の遺骨が出てきた場合にも、同じく事件性のある事故物件と呼ぶことができるのでしょうか。
また嫌悪施設が周辺にないような住宅であったとしても、日々耐え難い騒音を発するような隣人がいるような住宅には心理的な瑕疵がないと言えるのでしょうか。
このように何が心理的な瑕疵に該当するのかは人によって異なるため、どのような事柄が心理的な瑕疵に当たるのかは、おおむね過去の判例と照らし合わせることによって理解されています。
おすすめコラム：【判例解説】子供が引き起こすマンションの騒音トラブルを解説！
事故物件を探す方法！
実のところ事故物件を探し出す方法はいくつか存在しますが、今回はインターネットを用いて簡単に調べられるサイトとして“大島てる“というサイトをご紹介したいと思います。
“大島てる”はもともとはたった一人のリノベーターが始めた事故物件の情報共有サイトでしたが、今では外国でも利用されるような巨大なサイトに成長しています。誰でも直観的に扱えるデザインである点や、誰でも編集が可能である点などが特徴であり、事故物件の情報をダイレクトにキャッチすることが出来る優秀なサイトとなっています。
大島てるを利用する上での注意点
1.事故物件の定義が一般の認識とは異なる
“大島てる”における事故物件の定義は、「自殺・殺人事件・火災」など事故や事件性のある事例が発生した建物だと認識されており、心理的に瑕疵がありそうな物件が網羅されているわけではないという点に注意が必要です。
2.誰でも情報を書き込める
“大島てる”では誰でも物件情報を書き込むことが出来るため、中には事実と異なる記載が混じっていることもあります。運営側もうその書き込みが増えないように注力してくれているみたいですが、情報をうのみにしすぎないことも大切かも知れません。
事故物件は悪い事ばかりではない！
事故物件は”事故”というワードから悪い事ばかりが連想されてしまいがちですが、心理的な瑕疵というポイントを瑕疵と見なさないような人にとっては“お得な物件”になるという事もあり得ると思います。
なにも好き好んでわざわざ事故物件を探すとは言わないまでも、万が一気に入った物件が事故物件と呼ばれるような瑕疵を含んでいた場合には、瑕疵があるから直ちに断るのではなく、どのような瑕疵があるのかを解釈したうえで物件選びを行っていく方が可能性が広がると思います。
さて、今回は土地の賃貸や売買にかかわる心理的な瑕疵についてお話しして参りましたが、土地や建物の売却の事なら我々アイエーにお任せください！
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