更新:2021/04/03 10:47 おすすめコラムを追加しました。
こんにちは、川越市アイエー本社の鮎太郎です!
本日のトレンドワードには「千と千尋の神隠し」がランクイン知っていました。調べたところによると、どうやら東宝(株)が舞台化を決定したのだとか!気になる千尋役ですが、橋本環奈さんと上白石萌音さんのダブルキャストで演じていくようです。豪華なキャスト陣にも驚きですが、今回は二人一役という事で”どのような雰囲気の演技になるのか”というところも見どころだと思います!
さて、前置きもそこそこにしまして・・・本日のテーマは賃貸契約でおなじみの「敷金・礼金」についての解説です。
さっそく本編に参りましょう!
そもそも敷金の起源はいつ?
敷金はなんと江戸時代にその起源があるらしく、もともとは結婚の際に花嫁の両親が持参金を持たせたことが始まりのようです。夫となったものは持参金を受け取ったのち、もし離婚するようなことがあれば全額を妻へ返済しなければならないという風習がありました。この風習が時とともに変遷していき、今の敷金となったとする説が有力説であるようです。
敷金の意味とは?
敷金とは新たにアパートやマンションの賃貸契約を交わす際などに、借主さん側が貸主さんに支払う費用の内の一つです。敷金には何らかの事情によって賃料を滞納した際に補填するような役割があり、さらに賃貸契約終了時に原状回復義務の範囲外の傷や汚れなどの修復費に充てるための金銭としての性格もあります。そのため滞納が無かった場合や、現状回復義務の範囲外の傷や汚れが少ないような場合には、退去時に貸主さんから敷金の返還があります。
敷金の相場は地域にもよりますが、おおかた家賃の1カ月から2か月分とされているようです。
それでは敷金の内容を条文からチェックしていきましょう!
民法第622条の2
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。
二 賃借人が適法に賃借権を譲り渡したとき。
2 賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない。
敷金のポイントをチェック!
- 債務を担保する目的で借主が貸主に支払う金銭は敷金であると見做される!
- 自然な摩耗に対して借主は原状回復義務を負わない
- 債務の返済や原状回復のための費用を貸主は敷金から差し引くことができるが、残金が出た場合にはすべからく返還しなけらばならない。
- 原状回復する物品は購入時の価格から考慮するのではなく、減価償却(時間とともに物の価値が落ちる事)を考慮しなければならない。
礼金の意味とルーツを解説!
礼金とは借主さんが貸主さんへお礼の意を込めて支払う金銭の事であり、おおむね1~2か月分の家賃相当を支払う事が慣例となっています。
礼金のルーツについては諸説ありますが、大正時代に発生した関東大震災の影響で家を失った人が多くいる中で、色々工面して借家を提供してくれた大家さんへ感謝の意を込めて金銭を支払ったことが始まりともいわれているようです。
敷金との大きな違いは、礼金にはデポジット(保証金)的な意味合いはなく、退去時に返還されるようなことはないという点があります。また慣習的な側面が強く法律的な定義もされていません。
原状回復ガイドラインって知っている?
敷金の返還に関しては賃貸契約終了時に度々トラブルとして話題になる事も多いようですが、国土交通省が作成している”原状回復ガイドライン“の解説ページでは、「原状回復の問題は退去時のトラブルだと認識されがちであるが、入居時の問題としてとらえることが未然のトラブル防止に有効である。」としています。
原状回復ガイドラインでは具体的な原状回復の目安や、原状回復に関する判例について紹介しています。どのような傷が原状回復義務を負うのか、どのような事例で原状回復義務を免れたのか、そういった実践的な内容が盛り込まれていますので、是非参考にしてみてください!
おすすめコラム:事故物件の定義とは?心理的瑕疵と告知義務について解説!
原状回復義務ってなに?
原状回復義務とは一般的に、賃貸契約終了時に賃貸中に生じた損傷を回復させる義務の事を指しています。まずは条文についてサクッと目を通していきましょう!
民法599条
借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。ただし、借用物から分離することができない物又は分離するのに過分の費用を要する物については、この限りでない。
2 借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができる。
3 借主は、借用物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、使用貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が借主の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。
民法622条
第五百九十七条第一項、第五百九十九条第一項及び第二項並びに第六百条の規定は、賃貸借について準用する。
このように条文では「借主は賃貸契約終了時に損傷を回復する義務を負う」ということが明記されていますが、注意すべきポイントとして「自然な摩耗による損傷までは原状回復義務を負わない」という事を押さえておくと良いかも知れません!
責任の範囲を把握するためにガイドラインを活用しよう!
如何でしたでしょうか。契約の場面では敷金・礼金と一まとめにされがちですが、その性質は全く異なることがよくわかりますね!敷金に関してはその返還を巡るトラブルが多発していますので、これを機に内容を再確認して頂ければと思います。
さて、原状回復義務のバランスを確認するためには国土交通省の”原状回復ガイドライン”が便利ですが、土地の売却に関するお困りごとには我々アイエーが便利です!
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