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川越の不動産屋が不動産にまつわる面白い判例をわかりやすく解説!

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更新:2021/3/10:内容の再確認とリンクの追加を行いました。

 

こんにちは、アイエー川越本社の鮎太郎でございます~。

本日はクリスマスという事で、サンタクロースについて調べてみました。

私は当然最初から知っていましたが、サンタクロースは1人ではなく多人数で行動しており、組織的に世界中の子供たちへプレゼントを配送しているようです。そしてサンタクロースたちは「グリーンランド国際サンタクロース協会」によってサンタクロースとなる事を承認されており、現在では約180名ほどがサンタクロースとして認定されています。

 

さて、そのサンタクロースですが実は1955年のクリスマス・イブから、「北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)」によって追跡されているようです。今年もその様子がNORAD(ノーラッド)の公式サイトより提供されておりますので、皆さんも是非ご確認下さい。

またNORADだけではなく、google mapでおなじみのgoogleからもサンタクロースの追跡を行うことが出来ます。皆さんもサンタクロースの活動を見届けてからごゆっくりお過ごしください。

・gooleサンタ追跡サイト

・NORADサンタ追跡サイト

それでは本題へと参りましょう!今回は私が解説する初回の判例として、「瑕疵(法的な傷のこと)」と「錯誤」が関係している事例についてみていこうと思います!

(NORAD公式Facebookより)

マンションで大きな犬を飼育できなかったため売主を訴訟!

概要

中古マンションの買主Xさんは、実は1m程度の大型犬を飼えると信じたうえでマンションを購入していました。しかし、実際には近隣住民の同意を得られなかったため、犬の飼育を断念せざるを得なくなりました。

これについて買主Xさんがマンションの売主Yさんへ「瑕疵担保責任」と「錯誤無効」を主張し、マンションの購入代金の返還請求を訴えたのが今回取り扱う判例です。

ここで「瑕疵担保責任」や「錯誤無効」という用語が出てきましたので、それぞれがどのような意味を持つのかを確認していきましょう。

 

瑕疵担保責任とは?

「瑕疵」とはなかなか聞きなれない言葉だと思いますが、欠陥といった意味を持つ法律用語になります。具体的には通常備えているべき機能に不足がある場合などには瑕疵に該当する場合があり、代表的な例として「雨漏り」や「シロアリ被害」などが挙げられます。

瑕疵担保責任とはつまり、契約の目的物に瑕疵が見つかった場合は契約の公平さを保つために、売主さん側が負うべきある程度の責任の事を指していますが、民法改正により今は「瑕疵担保責任」ではなく「契約不適合責任」というように用語が変わっています。

契約不適合責任では種類・品質・数量などの瑕疵に限らず、契約内容に適合しない場合には契約不適合責任を追及されることとなります。

(e-gov参照:民法第636条)

錯誤無効とは?

錯誤無効とは民法95条に規定されている錯誤に基づいた契約の無効解除の事です。今回の買主Xさんの主張は民法95条の2項による契約解除ですので、2項まで含めて条文を確認してみましょう。

民法第95条

意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

民法第95条2項

表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤

(e-govより引用:民法第95条)

条文を見てみますと要件を満たせば契約を取り消せるとありますので、買主Xさんはこれを用いてマンションの購入代金を取り戻そうとしたわけですね。

しかしながらこの錯誤無効を成立させるためにはいくつかの要件を満たす必要があります。

1つ目は、客観的に見てその錯誤が法律行為を行うにあたって重大な要素であること。

2つ目は、錯誤に重大な過失(不注意などによる落ち度のこと)がないこと

さらに3つ目の要件として、上記2つの証明責任というものもあります。

買主Xさんと売主Yさんのやり取り

買主Xさんと売主Yさんのやり取りは不動産業者Aの媒介により行われていました。そのため直接やり取りを行ったのはXさんとAさん、YさんとAという形になります。

その点に注意しながら契約に至るまでのやり取りを確認していきましょう!

1.「犬は飼えますか?」

買主Xさんは転勤に伴ってマンションを買うことにしましたが、それに伴ってそれまで庭で飼育していたワンちゃんを自宅内で飼育できる環境を探していました。そこで物件を下見した時や契約締結を行うタイミングなどの要所々々で、「犬は飼えるか?」などの質問をAさんに投げかけていたようです。

Aさんはこの質問に対して提携している会社へ確認したうえで「犬は飼えます!」と回答しましたが、実はこのときAさんは30センチ程度の一般的な大きさの犬だろうと考えていたようです。

 

2.マンションには独自の規則が設定されている!

マンションによっては独自の規則などを設けて、より行き届いた管理を行っているところもあります。今回問題となっているマンションにも規約があるのですが、今回注目すべき規則は「他の入居者さんに迷惑・危害を加える恐れのある動植物は、飼育又は研究してはならない」といった内容のものです。

買主Xさんは入居後にマンションの管理人からこの説明を受け、規則に基づいて上下左右の住民やマンション管理組合の長の許可をもらいに行きましたが上手くいかなかったようです。

 

買主Xさんは以上の出来事を総合的に見て不服だと思い、訴訟に踏み切ったという流れになっています。

 

裁判所の考え

皆さんはここまで読んでみてどのように思われましたか?これから静岡地方裁判所の見解と判決を見ていきますが、皆さんもどのような判決になるのかを予想しながら読み進めてみてくださいね!

1.買主Xの説明は十分であったのか?

多くのマンションではペットの飼育を禁止しており、飼育可能な場合でも規約でその旨が書かれている。このことから1mの程度のワンちゃんの場合もマンションでの飼育が難しいことは買主Xさんも分かっていたはず。

そのうえで犬の種類や大きさなど、あらかじめ特異な点をしっかりと説明していたとは言えず、なおかつ特異な点を踏まえたうえでの調査も十分には行われていなかった

2.契約不適合責任の訴えについて

上記の点から大きな犬の飼育を予定したマンション購入という事は出来ないため、マンションが契約上必要な用途に適さない物件であるとは認められない。(瑕疵があるとは言えない)

3.錯誤無効の訴えについて

買主Xは犬が飼えると誤信して契約締結に至っているため「動機の錯誤」があるといえるが、動機の表示を行ったとはいえないため錯誤無効の主張は認められない。

 

以上3点が今回の裁判で要所となるポイントとなります。これを踏まえたうえで裁判所はどのような判決を出したのでしょうか。

裁判所の判決

これらの要素を鑑みた結果、静岡地方裁判所は買主Xの請求を棄却しました。つまり裁判所でもよく考えたうえで請求を退けたわけですね!これにて、今回の件に関しては訴えが認められなかったという形で裁判は落ち着きます。

日本の裁判の原則的なルールとして「訴えられた内容についてにしか判決を出してはいけない」というものがあります。そのため今回の判例ではXさんの主張を棄却する事しかできませんでしたが、よくよく考えてみれば不動産を仲介した業者のAさんも確認不足であった可能性がありますので、仲介業者のAさんを含んで訴えを提起しておけばまた異なる判決が下されていたかも知れませんね。

購入の目的や条件をしっかり説明してから契約しよう!

今回扱った判例では買主Xさんの主張が退けられてしまい、Xさんにも落ち度があるとはいえ少し可哀そうな結果となってしまいましたね。それはそれとして、錯誤も訴えも無いに越したことはありませんので、皆さんも何か特別な目的をもって契約に挑む際にはご注意くださいね!

さて、私はマンション媒介業者ではありませんが、不動産買取業者のAだとは言うことが出来そうです!そういうわけで、不動産に関するお悩み事なら我々アイエーにお任せください!

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更新日

更新:2021.2/9:文章修正 (内容には影響なし)

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