更新:2021/7/15 まとめコラムを追加しました。
こんにちは!川越市のアイエー本社サイト担当の鮎太郎でございます。
世間の動向を調べていたところ、本日の急上昇トレンドの9位には「水溜まりボンド」がランクインしていました。私も大学一年生の頃から水溜まりボンドさんのyoutubeチャンネルを視聴しておりましたが、ここ最近はなかなか見ていませんでした。そんな水溜まりボンドさんが世間から再び注目を集めていることに嬉しくか案じながらもトレンド入りの原因を調査していましたところ、なんと最近になって目に見えて視聴者の数が衰えているのだとか。
何とも釈然としないトレンド入りの仕方であり、複雑な心境です・・・しかし複雑なのは心境だけではありません。
本日は宅地建物取引士の試験でもおなじみの、なかなか厄介な農地法について解説していこうかと思います。それではさっそく、見ていきましょう!
農地法の保護法益(保護しようとしている利益)とは何だろう?
そもそも農地法という法律はどのような目的があって作られたものなのでしょうか。農地法の第1条では農地法の目的について、以下のように言及しています。さらに第二条では農地法が定義する農地についても触れられているため、まとめて確認していきましょう!
農地法 第1条
この法律は、農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もつと耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的とする。
このように条文からは耕作者の地位向上や、農業の効率化をますます強化していこうという意図を読み取ることが出来ます。具体的には耕作者の地位向上の手段として、耕作者が耕作すべき土地を取得できるように促すことやその権利の保護を目的としているようです。また、農業を効率的に運用するために土地の権利関係を調整することも目的としています。
要するに「耕作者にとってより耕作がしやすいように法整備しますよ」という事が書かれているわけです。
農地法 第2条
この法律で「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいい、「採草放牧地」とは、農 地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
農地の定義に関しては上記の通りシンプルなものとなっています。しかし、ここで注意が必要なのは現に耕作がされている土地は、地目が何であろうと農地に含まれるという点です。例えば地目が宅地となっていても、現に耕作がされているのであれば農地法上の農地に該当してしまします。
このことは専門用語で「現況主義」などと呼ばれており、農地法は農地のありかたについて実際に土地がどのような状態にあるのかを重視するという姿勢がうかがえます。
また、休耕地や放棄された畑など「耕作しようとすればいつでも耕作できるような田畑」などは、同じく農地法上の農地として扱われます。
農地法が規制する内容を見てみよう
農地法では農地を売買することに関して一定の規制をかけています。例え売買の当事者同士が農地の売却に合意したとしても、農地である限りは農地法の許可が無ければ違法行為となってしまいます。このあたりは宅地建物取引士の試験でも頻出するポイントとなっており、実務の上でも大切な法令となっています。
それでは各条文について具体的に内容を見ていきましょう。
農地法3条
農地法3条では農地の購入(所有権の移転)や賃貸(賃借権など収益を目的とする権利の移転)を行うにあたって、各自治体に設置されている農業委員会の許可を得なければならないという旨が規定されています。
農地法4条
農地法第4条の規制は、農地を農地以外の目的で利用しようとする「農地転用」の場面でかかってきます。例えばよくあるケースとして、農家さんが自身の所有する田畑の上に自宅を建築しようとする場合などがこれに該当します。
第4条の許可を受けるためには、都道府県知事または又は指定市町村の長の許可が必要となります。またその他に市街化区域内の農地に関しては、各自治体に設置されている農業委員会への届出制となっている地域などもあるため注意が必要です。
農地法5条
農地法第5条は農地の転用を目的として権利移転する際に許可が必要な規制になります。
例えば休耕地などを資材置場などに転用する目的で売却する場合などがこれに該当し、農地法第5条の許可を得る必要が出てきます。
農地の売却は農地法によって強い規制がかけられている!
農地法の第3条から第5条を見てきましたが、農地を売買しようとする場合にはこの中のいずれかの規制に掛かってきてしまうため、市街化区域の宅地などの一般的な土地に比べて土地の売買は複雑な形となってしまっています。このような事情があるために、あまり積極的に農地を売買するような動きは見られないわけですね!
関連記事:市街化調整区域の開発許可について解説!【都市計画法34条11号,12号・条例における基準とは】
農地法改正のポイントを解説!
農地法は時代背景とともに増加しつつある耕作放棄地などを解消することや、「農地の適正利用」を進めることによって農地利用の活性化を図ることを目的として、平成21年12月15日に大規模な法改正が行われました。
ここでは農地法の法改正のポイントについてみていこうと思います。
1.農地法の目的の変更
改正農地法第一条の内容がより実情に寄り添うために変更されました。要点をまとめると、農地を農地以外のものにすることの規制を強化しつつ、農地利用のための権利取得を促進することにより食料供給の安定を図るというようなことが書かれています。
2.農地転用の厳格化
旧農地法であれば一体となって広がっている農地の内、端っこに位置する農地であれば将来的な利用が見込まれる土地であっても「農振地域除外申請」をしたうえで除外する事が可能でした。
しかし改正後の農地法では例えそこが一体となっている農地の端っこだとしても、将来的に農地利用を集中させることに支障が出るようであれば「農振地域除外を認めない」という形となり、農地転用に関してより厳しい条件が加えられることとなりました。
また法人が農地転用に違反した場合、以前は罰金300万円程であったところが、改正農地法では罰金1億円程となっており、農地転用違反の厳罰化が図られています。
3.農地の賃貸規制の見直し
一定の条件こそありますが、改正農地法では農業生産法人(農地法第 2 条第 3 項に規定されている、農地を所有できる法人の事)以外の法人も農地の借り入れを行うことが認められています。これによって法人が農業に参入するための要件は、個人の農業参入と同等程度まで引き下げられることとなりました。
また、賃貸可能な期間に関しても旧農地法では賃貸期間の上限が20年とされていましたが、改正農地法では50年程度まで延長されています。
これらの規制の緩和により一般法人の農地活用は現に増加傾向にあります!
4.農地生産法人の要件緩和
先ほども出てきました農地法第 2 条第 3 項に規定されている「農業生産法人」についてですが、構成員の出資額上限を緩和することにより結成や維持が以前よりも比較的簡単になりました。農地法第2条という基礎的な項目が見直されたことからも、いかに国が優良農地の維持に力を入れているのかが覗えます。
5.遊休地対策の強化
以前より問題提起されている「遊休農地」についてですが、この改正農地法でも遊休農地についてはバッチリ対策を行っていく旨が記されています。具体的には各市区町村の農業委員会が遊休農地の所有者に対して通知、指導、勧告を行っていき、これに遊休農地所有者が従わないときには最終的に都道府県知事が裁定し、遊休農地が合理的に活用されるように利用権などを調節していく旨が記されています。
次の項で農業委員会の遊休農地対策フローを見ていきましょう!
関連記事:身近な畑は大丈夫?畑の雑草・砂ぼこり対策について!【市役所も推奨してる対策とは】
遊休農地対策の流れ
①. 毎年1回は農業委員会が農地の利用状況を確認
②. 1年以上耕作されていない土地、または耕作される見込みのない土地、また周辺の農地に比べて著しく生産性が劣ると思われる土地に対して農地活用の指導を行なう
③. 遊休農地所有者へ、所有している農地が遊休農地として認識されている旨を通知
④. 所有者による利用計画の提出
⑤. 農業委員会による必要な措置の勧告
⑥. ①から⑤の農業委員会による指導、通知、勧告に従わない場合には、都道府県知事により調停や裁定が行われる
全体的な流れはこのようになっております。農業委員会や都道府県知事とは言えども、個人の所有権に対していきなり強権的な立場をとることは難しいため、もしも農業委員会から何かしらの通知が来ているのだとしても、慌てずに落ち着いて農業委員会などの意見を聞いていくことが大切です。
特に何かしらの事情がある場合には、積極的に農業委員会の窓口まで相談しに行くことが無難だと思われます。
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さて今回は色々と複雑な農地法の概要について表面的な部分についてを解説していきました。今回の記事を通して実務的な場面で姿を現す農地法や、改正農地法の意義などについて理解を深めていただけたのであれば幸いです。
中盤より解説を行いました改正農地法に関しては、以前よりも農地転用を厳しく審査する旨が盛り込まれているなど、「土地活用」が流行している近年の流れに対抗するような雰囲気も感じます。農地を売却したくても簡単には話が進まない場面なども今後は多く出てくることだと思います。そのようなときには…
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